2026年・年頭所感

日本エリアマネジメント支援協会・会長 松本隆之

(1)新年のご挨拶と、2025年の地域動向

新年あけましておめでとうございます。
新しい年を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げます。

2025年は、円安・物価高の影響が日常に色濃く影を落としながらも、地域の現場では“足元を見つめ直す動き”が各地で静かに広がった一年でした。訪日客は戻り、街にはかつての賑わいも戻りつつありますが、その一方で消費の動線や購買行動は変化し、かつての“回遊型”から、目的地を絞った“関係性消費”が主流となりつつあります。

地域の価値は、改めて“地元の目”で見直されつつあります。観光、福祉、産業振興がそれぞれの分野に閉じず、暮らしと経済をつなぐ“交差点”として地域が再評価されていることを、私たちは支援現場で目にしました。

(2)2025年の学び:「仕組み」から「続く関係性」へ

2025年、JASAでは『地域を動かす仕組み論』と題した連載を通じて、16の視点から地域支援の設計を再考しました。地域の現場で私たちが耳にしたのは、“仕組みが入ったのに続かない”“便利なはずが現場では使いこなせない”といった声です。

制度やDXは、地域に必要な“仕掛け”ではありますが、それ自体が目的になってしまえば、“生活の手触り”から遠ざかってしまいます。今求められているのは、誰が・どこで・どのように関わるのか──具体の積み重ねです。

JASAは、自治体・民間・住民がそれぞれ“無理なく関われる設計”を支援し、仕組みが地域に馴染んでいく“育てるプロセス”に伴走してきました。2025年は、その意味で、「仕組みを入れる年」から「関係性を育てる年」への転換点であったと言えます。

(3)2026年の展望──地域の“発熱”を拾う一年へ

2026年、JASAは「支援する・される」の二項対立を超え、“ともに関わる”という温度を大切にした関係づくりやソリューションの構築を進めていきます。

制度や補助金に頼らずとも、地域が自走しはじめる瞬間には、必ず“熱”があります。それは、商店街の空き店舗が新しい拠点に変わる瞬間かもしれません。あるいは、福祉と観光が重なる現場で“関係のデザイン”が生まれるときかもしれません。

私たちの役割は、その熱が消えないよう、過不足なく支える“仕組みと対話の設計者”であることだと考えています。

2026年も、現場にある問いと希望を、静かにすくい上げながら、地域と共に歩んでまいります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。