【2025年4月のインバウンド動向とエリアマネジメントの展望】

「訪れる旅」から「交わる旅」へ ~地域が選ばれる理由を再定義する〜

1.再び動き出したニッポン ~数字が語るインバウンドの回復の波~

 2025年春、日本を訪れる外国人観光客の数は、コロナ禍前の水準に戻りつつあります。日本政府観光局(JNTO)の最新データによると、訪日外国人旅行者数は前年を大きく上回り、特に東京や大阪、京都などの主要都市では観光地が活気を取り戻しています。この回復の兆しの中で、訪日外国人の求める旅行の価値が変化していることが見えてきました。
 インバウンドをサポートする企業の多くは、訪日観光客が観光地を選ぶ際の基準が「映える観光地」や「有名な名所」から、地域との“交流”や“ユニークな体験”へとシフトしているといいます。観光地や施設の選定において、旅行者は“地域の本質”に触れられる場所を重視し、より深い体験を求めているのです。

2.地域のくらしの体験こそ、訪れた人の感動に

 外国人観光客にとって、地域の商店街や市場、農家民宿はただの観光地ではなく、日常と非日常が交差する場所です。地域の人々との交流を通じて、土地の文化や生活に触れることが、旅行者にとって貴重な体験となります。このような交流が生まれることで、地域は観光地としてだけでなく、地域資源を活かした「持続可能な場所」として再評価されます。
 JASAは、観光はただの消費活動ではなく、地域と訪問者が共に関わり、共に成長する仕組みであるべきだと考えているため、地域行政と地域の企業、そして住民が一丸となって地域活性化を実現できるよう、エリアマネジメントに取り組んでいます。

3.観光はゴールではない~地域の魅力をひらく力に

 観光の未来において重要なのは、地域資源を単に観光客に提供するだけではなく、地域に新たな価値を生み出すことです。JASAは、インバウンドを通じて地域活性化を推進するため、持続可能な観光地づくりを目指し、全国の地域と連携しています。観光客が地域の人々と交流し、その土地の魅力を発見することが、長期的な成長に繋がります。
 JASAは、観光を“地域課題解決の手段”として捉え、今後も持続可能な社会の実現を目指して地域と協力し、地域が自信を持って発信できる資源を生かし、インバウンドによって経済・文化の循環を生み出していけるよう、サポートいたします。